■安くて人気の「特別養護老人ホーム」(特養)
先日の記事でも触れましたが、老人ホームの種類にはおもに次の5つがあります。
1、特別養護老人ホーム(特養)
2、介護老人保健施設(老人保健施設=老健)
3、介護療養型老人保健施設(新型老健)
4、介護療養型医療施設
5、有料老人ホーム
このうち、特別養護老人ホーム(特養)が安くて人気があります。今回の記事では、「特別養護老人ホーム」中心にまとめてみました。
■特別養護老人ホーム(特養)とは
利用料金が低く、最期まで介護サービスを受けることのできる施設が「特養」です。
個室でも月々15万円前後。必要なのは月々の費用だけで、入居一時金は必要ありません。そのため、多くの施設で入居待ちになっています。
特別養護老人ホームは、身体上、または精神上、著しい障害があり、介護保険制度で介護の必要がある「要介護」の判定が出た人が利用可能な施設。老人福祉法上の老人福祉施設の中の一つ(社会福祉施設)です。入所している人には、寝たきり老人、認知症の高齢者の入所が多いです。
■具体的な施設の例
東京都北区の区立特別養護老人ホーム「清水坂あじさい荘」の場合ですと、約130人のお年寄りが暮らしています。2~4階の居室は4人部屋が中心で、認知症の人が約8割です。費用(自己負担)は、月5万円~10万円弱だと言います。
■入所条件は?
東京都新宿区の場合ですと、「介護保険制度の要介護状態区分の要介護1~5で、いつも介護を必要とし、ご自宅で介護を受けることが難しい方」となっています。他の地域でも同様の基準のようです。
必要な費用は、「介護費用の1割 + 居住費 + 食費 + 日常生活費等」と記載されています。
■要介護1~5とは
要介護1から要介護5までの定義は次のようになっています。
・要介護1
要支援状態から、手段的日常生活動作を行う能力がさらに低下し、部分的な介護が必要となる状態
・要介護2
要介護1の状態に加え、日常生活動作についても部分的な介護が必要となる状態
・要介護3
要介護2の状態と比較して、日常生活動作及び手段的日常生活動作の両方の観点からも著しく低下し、ほぼ全面的な介護が必要となる状態
・要介護4
要介護3の状態に加え、さらに動作能力が低下し、介護なしには日常生活を営むことが困難となる状態
・要介護5
要介護4の状態よりさらに動作能力が低下しており、介護なしには日常生活を営むことがほぼ不可能な状態
■何年経っても入居できない?
ちょっと情報が古くて恐縮なのですが、特別養護老人ホームは、2007年時点で全国に6014の施設があり、入居者は約40万人。2002年、入居基準が変更され、「先着順」から介護の必要性の度合いによる「優先度順」になりました。
しかし、「何年待ってもなかなか入居できない」という声が多いのが現状。2008年時点で、待機者の数は入居者数とほぼ同数の約39万人だったようです。
(ソース)
・プレジデント:特別養護老人ホーム:老人ホーム、介護施設選びの鉄則
■介護老人保健施設(老人保健施設=老健)
「ろうけん=介護老人保健施設」は、自宅に戻るためのリハビリの施設。
介護を必要とする高齢者の自立を支援し、家庭への復帰を目指すために、医師による医学的管理の下、看護・介護といったケアに加えて、作業療法士や理学療法士等によるリハビリテーションを行う施設。栄養管理・食事・入浴などの日常サービスも提供しています。
月々の利用料は10万円前後から。
■介護療養型老人保健施設(新型老健)
特養と老健の間に位置する介護施設。
新型老健は、要介護度1~5と認定されている人が対象。入院するほど症状は重くないが、鼻などから流動食を投与する経管栄養など、一定の医療措置が必要な高齢者が入所する施設です。
個室の場合、月々15万円前後のようです。
■介護療養型医療施設
介護療養型医療施設は、2018年3月までに廃止されることになっています。その受け皿としての役割もになうのが新型老健です。月々の利用料が30万円以上になるケースもあるそうです。
■有料老人ホーム
有料老人ホームは、一般的に数百万円から数千万円の入居一時金を支払って入居する、高齢者のための住居。月々の費用は20万円前後から。
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(Yahoo!知恵袋)
・Yahoo!知恵袋:「老人ホーム 種類」の検索結果
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